”
幸福について
良心の義務と幸福の追求とを対立的に考えるのは近代的リゴリズムである。
これに反して私は考える。今日の良心とは幸福の要求である、と。
社会、階級、人類、等々、あらゆるものの名において人間的な幸福の
要求が抹殺されようとしている場合、幸福の要求ほど良心的なものが
あるであろうか。
幸福は徳に反するものでなく、むしろ幸福そのものが徳である。
もちろん、他人の幸福について考えなければならぬというのは正しい。
しかし我々は我々の愛する者に対して、自分が幸福であることよりなお
以上の良いことを為し得るであろうか。
”
『人生論ノート』 三木 清 新潮文庫
”幸福”ということはより深い意味があり、人間の本質に迫るものであろう。
三木清がこれを書いた戦前より、現在はますます”幸福”というものを真に追求することが重要な時代ではないか。
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