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欧米の市場原理というのは、”神の見えざる手”を前提に成立しています。
市場原理がたんなる競争原理でしかなければ、それこそ弱肉強食の修羅場になって
しまいますが、神の見えざる手がどこかで確かに働いているのだと人々が信じられる
部分があるからこそ、市場が人間的なものとして機能してきたのです。
そういうキリスト教的な拠り所が、無意識のうちであれ存在しなければ、市場原理は
成立しません。欧米と言うものは一見、科学的・合理的な価値観を徹底して追求している
だけのようにみえますが、じつは非常に根深い宗教感覚が内包されているのです。
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『他力』<洋魂洋才>でやれと強制される時代 五木 寛之 幻冬舎文庫
西洋の楽観的な部分では宗教的なものと科学と矛盾するものではなく,むしろ科学の追求が
宗教的実現に資するという潜在的確信があると思う。
やたらと数字を尊重する傾向も、数字に対する神秘的・宗教的感覚を反映していると思う。
数字・数理的なもので世界の真実を捕らえられ表現できるという信念が深く潜在していて、
多くの日本人にとって、数字は数字でしかないのとは対照的であろう。